「イペのデッキを穴まであけて持って来ることって出来ますが?ちょっと量が多いんですけど・・・」
「穴っていうのはビスの下穴の事ですか?」
「そうです 図面があるんでもしよかったら送ってもいいですか?」
「わかりました そしたら枚数と配送先のご住所も一緒に送って下さい 製作可能でしたらお見積りさせて頂きます」
「分かりました」
東北の方からのお問い合わせで、これまでもデッキを指定サイズに仕上げたりビス穴もあけたことはあったのでどんな感じだろうと思って図面を待っていました
送られてきた図面を見てビックリしたのはワンサイズのデッキを10トントラック一車分の量の見積依頼でした
しかも厚さ・幅とも特注サイズでビスの穴も皿ザグリ(サイズ指定有り)付きでした
見た時はちょっと恐ろしくなってきましたが、まずはこれだけの量が取れる在庫があるのかどうか、あと職人にこのサイズ・ザグリ付き穴が出来るのかどうかを見てもらいました
「凄い枚数ですけどどこに使われるご予定ですか?」
「水族館のデッキの張り替えを検討していて、今貼っているデッキがそのサイズなんです。枚数も枚数なんで現場で穴をあけたりカットしたりするのは無理なのでそちらでやってもらえないかと思って」
なるほど 確かにこの量を現場で調整するのは難しいと思います
現状の下地の穴を使いながら同じサイズのモノを一気に交換しようという事でした
結局、この精度でビス穴も正確に開ける為には厚さを当初40mmでしたが38mmに変更してもらえないかと打診して、それでOKが出たので加工開始となりました
一番緊張感を伴うのはやはりビス穴です
少しずれるだけで全てパーになってしまいます
正確な位置にあける為にも幅や長さが特注サイズだったことはラッキーでした
それは機械に通すことで「まっすぐな」デッキになるからです
正確な位置へ穴をあけるためにはデッキが「まっすぐ」であることが必須です(反りが合っては位置がずれてしまいます)
諸々の事情を考慮して10トン一車分を送った時はまだ安心できませんでした
2か月くらいたった後に「出来ましたよ」と連絡があってやっとホッとしました
これほどの量の特注デッキを作ったのは初めてだったのですごい経験をしたなと思います
これからまた長い間安心して使用できるデッキとして活躍してもらいたいです
※イペデッキの特殊加工について https://www.ipezai.info/